2025年10月16日〜18日に開催された「第63回日本癌治療学会学術集会」(https://congress.jsco.or.jp/jsco2025/)にて、当社と国際医療福祉大学の共同研究の成果を口頭発表しました。(発表者:国際医療福祉大学・菅原 ゆたか先生)
先行研究により、PRO(Patient Reported Outcome)を用いてがん治療における有害事象を早期に検出することで、健康関連QoL(HRQoL)および生存率が改善する可能性が報告されています。(※)しかしながら、PRO-CTCAEを診療へ電子的に実装する取り組みは、これまで十分に検証されていませんでした。
そこで、国際医療福祉大学において、外来がん患者さんを対象にPRO-CTCAEを臨床で実装する際の課題を明らかにすることを目的とした本研究を実施しました。患者さんが所有するスマートフォンに患者フォローシステム「Pocket Musubi」を導入し、ePROベースの有害事象モニタリングを実施しました。
本研究では、参加者の回答率が約80%と高い水準を維持し、観察期間を通じて健康関連QoLが安定して推移していることが認められ、臨床への実装可能性が確認されました。
当社は今後も、患者中心の視点に立ち、データ解析とエビデンスの構築を通じて、「日本の医療体験を、しなやかに。」するための研究活動に取り組んでまいります。
演題番号:O64-4
タイトル:外来がん患者の電子的PRO-CTCAE/CTCAEによる有害事象モニタリング:SMART-PRO Study
発表者:菅原 ゆたか先生(国際医療福祉大学)
(※)Basch E, et al.: JAMA. 2022 Jun 28;327(24):2413-2422.
Basch E, et al.: JAMA. 2017 Jul 11;318(2):197-198.